<大分県あるある?>なぜ地元民は「ゆふいんの森」と呟く?愛される観光列車の謎と地域愛を徹底解説!

大分県を走る人気の観光列車「ゆふいんの森」

そのエメラルドグリーンの美しい車体は、多くの旅行者を魅了してやみません。

しかし、この列車に特別な眼差しを向けるのは観光客だけではないようです。

列車が通過する際、地元の人々は「あっ、ゆふいんの森だ!」と嬉しそうに声を上げたり、子どもに指差して教えたりする光景がしばしば見受けられます。

私も一人でいる時この列車を見ると「お、ゆふいんの森だ」と、誰に言う訳でもなく呟くことがほとんどです。

 

この記事では、なぜ大分県民がこれほどまでにゆふいんの森に親愛の情を示すのか、その理由を歴史や土地柄から深く掘り下げていきます。

 

「ゆふいんの森」ってどんな列車?

ゆふいんの森への地元民の特別な感情を探る前に、まずはこの列車が持つ基本的な情報と魅力をお伝えします。

運行区間と特徴

ゆふいんの森はJR九州が運行する特急列車で、主に福岡県の博多駅と大分県の由布院駅、その後の別府駅間を結んでいます。

1989年(平成元年)の運行開始以来、その名の通り「森」をイメージした緑色の車体と、木のぬくもりをふんだんに使ったクラシカルで落ち着いた内装が特徴です。

 

国内外から愛される理由

車内は、高い位置から雄大な景色を楽しめるハイデッカー構造や、ビュッフェ、サロンスペースなどが設けられ、移動時間そのものを楽しむ「乗ること自体が目的となる列車」として設計されています。

車窓から望む由布岳や筑後川といった美しい自然景観も相まって、国内はもちろん海外からの観光客にも絶大な人気を誇り、大分県を代表する観光の顔の一つとなっています。

 

なぜ声をかける?地元民が「ゆふいんの森」に親しみを込める5つの理由を徹底考察!

では、本題です。

なぜ大分県民はゆふいんの森を見かけると、思わず声に出してしまうのでしょうか?考えられる5つの理由を考察します。

 

理由1:地域自慢の「スター列車」への誇りと愛着

ゆふいんの森は36年(2025年現在)にわたり大分の地を走り続けており、地元の人々にとっては子供の頃から慣れ親しんだ存在です。

その美しい姿は、大分の豊かな自然を象徴するかのようであり、「我が町のスター」「自慢の列車」という誇りを感じさせるのかもしれません。

遠くからでも一目でわかる特徴的な色合いの列車が自分たちの地元を走っているという事実は、地域への愛着を深めます。

 

理由2:観光客への温かい「おもてなし」精神の表れ

日本有数の温泉地である由布院を擁する大分県。

地元の人々にとって、遠方から訪れる観光客は大切なゲストです。

そのゲストを乗せてやってくる「ゆふいんの森」は、「ようこそ大分へ」という歓迎の気持ちを込めて見守られる存在なのでしょう。

「あ、ゆふいんの森号だ」という言葉には、旅の安全と楽しい思い出を願う、無意識のおもてなしの心が表れているのかもしれません。

 

理由3:日常を彩る「特別な瞬間」との出会いと感動共有

毎日見かけるわけではない特急列車、しかも全国的に有名な「ゆふいんの森」との遭遇は、日常の中にちょっとした非日常感や特別感をもたらします。

その美しい姿や楽しそうな乗客の雰囲気は、見慣れていても心が躍る瞬間であり、その小さな感動を誰かと共有したくなるのは自然な感情でしょう。

幸運の列車を見かけた喜びを分かち合いたいという気持ちも含まれているかもしれません。

 

理由4:大分の絶景と調和する「走る芸術品」への意識

ゆふいんの森は、その名の通り沿線の豊かな自然景観と美しく調和するようにデザインされています。

新緑、紅葉、時には雪景色の中を走る姿は、まさに「走る芸術品」。

地元の人々は、この列車を単なる交通手段としてではなく、自分たちの愛する故郷の風景を構成する美しい要素の一つとして捉え、その姿に目を細めているのではないでしょうか。

 

理由5:災害を乗り越えた「復興のシンボル」としての絆

ゆふいんの森が走る久大本線は、過去に幾度も自然災害に見舞われてきました。

特に2017年の九州北部豪雨や2020年の令和2年7月豪雨では甚大な被害を受け、長期運休を余儀なくされました。

その度に多くの人々の尽力によって不通区間が復旧し、再びゆふいんの森が走り出す姿は、地元住民にとってまさに復興の象徴であり、希望の光でした。

困難を乗り越えて走り続ける列車への敬意と安堵感が、特別な感情として表れるのでしょう。

 

大分の風土が育む「ゆふいんの森」

「おんせん県おおいた」の顔としての役割

日本一のおんせん県おおいた」を掲げ、温泉観光に力を入れる大分県にとって、ゆふいんの森は県外や海外から多くの観光客を温泉地へといざなう重要な役割を担っています。

まさにおんせん県の顔とも言える存在なのです。

 

地域振興への貢献と感謝

多くの観光客を呼び込むゆふいんの森は、地域の経済活性化にも大きく貢献しています。その存在がもたらす恩恵に対する感謝の念も、地元の人々の温かい眼差しに繋がっていると考えられます。

 

「ゆふいんの森」の歴史と記憶:地元民と共に歩んだ30余年

ゆふいんの森の歩みは、大分県の観光の発展と共にあります。

運行開始時のインパクトと長年の親しみ

平成元年の運行開始当時、その斬新なデザインと豪華な内装は大きな話題を呼びました。

その頃の熱狂や憧れを記憶している世代にとっては、今も特別な思い入れがあることでしょう。

そして30年以上走り続ける中で、世代を超えて親しまれる存在となりました。

 

メディアを通じて深まる愛着

テレビ番組や旅行雑誌などで頻繁に取り上げられることで、ゆふいんの森は全国的な知名度を獲得しました。

地元メディアでもその活躍ぶりが報じられるたびに、県民は誇らしい気持ちになり、より一層の愛着を深めていったと考えられます。

 

まとめ

これまで見てきたように、大分県民が「あっ!ゆふいんの森だ!」と声をかける背景には、単に珍しい列車だからというだけではない、多層的で深い理由が存在します。

それは、地域の誇り、おもてなしの心、日常の彩り、美しい風景との調和、そして困難を乗り越えてきた絆の象徴としての意味合いが複雑に絡み合った、地元ならではの愛情表現なのです。

近年では新たな観光列車「ななつ星」「或る列車」「かんぱち・いちろく」と、時間を忘れゆっくりと観光地の風土や歴史を肌で感じながら旅行を満喫できる列車ツアーも増えています。

左:或る列車 右:ななつ星

 

ただ、次にあなたがゆふいんの森の姿を見かけたとき、もし地元の方が嬉しそうにその名を口にしていたら、それはきっと、その方なりの「ゆふいんの森」への万感の思いが込められた一言なのかもしれません。

そんな心温まる瞬間に立ち会えたなら、あなたの旅も一層豊かなものになることでしょう。

 

ゆふいんの森は、これからも大分の美しい自然の中を走り続け、多くの人々に感動を届け、そして地元の人々から深く愛され続けることでしょう。

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